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ハイキュー!!夢小説

第5章 菅原夢


一瞬、自分の顔に力が入ったのがわかった。


休み時間は4人でよく雑談をした
その時間は本当に居心地が良くて、皆もそれは同じだったと思う

それが異性だという事で、時々冷やかされることはあったけれど
時間と共に収まっていった


いつも私がしている光景
それを、他の女子にされている


今、目の前で、他の女子と笑顔で会話している 菅原

私達といる時よりも、少しテンションが高い様な気がするのは、単なる私の気のせいだろうか



ああ、嫌だな


友達なんて、沢山いるに決まってる
私だって、友達は沢山いるし、クラスの男子と話が盛り上がる時もある


でも、それを実際に目の当たりにする側になると
意外と堪える


わかっているけれど
情けないことに、自分達が1番でありたいなという
不格好な気持ちが湧く


声を掛けるタイミングを逃してしまっていた私は
『誰に用?』
と、入り口にいた男子に声を掛けられるまで、突っ立っていた。

その声に気が付いて、あっという顔をしてこちらに走ってくる菅原
『鈴木!悪い、今返しに行こうと思ってたんだ』
「ううん、友達に用事があって、そのついでに寄っただけだから、大丈夫」

咄嗟に嘘をついた


『ありがとな!』
「どういたしまして。じゃあね!」

幸いにも、休み時間の残りも少なかったので、何事も無かった様にその場を立ち去った。


菅原の髪を触っていた女子
手を触っていた女子


彼女達の視線を感じて、ちょっと居心地が悪かったのも事実だ


教室を離れて、はぁ と大きなため息をつく



何となく、嫌な気分


それは、彼女達に対して?
菅原に対して?
自分自身に対して?


おそらく、それら全てに



同じクラスだからって、馴れ馴れし過ぎじゃない?


そう思ったけれど、
私も最初、手が綺麗って褒めたっけ・・・


そう思い出すと、文句は言えないなって




“特別な異性の友達”
そう思っていた



ああ、私って嫌なヤツ
自分だけが特別扱いされているってうぬぼれていた




その日の英語の授業は、全く集中出来なくて
さっきまで菅原が触っていたであろうその教科書を、そっと指でなぞった。



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