• テキストサイズ

ハイキュー!!夢小説

第4章 月島夢 後編


『蛍が出してくれるケーキって、いつも美味しいよね』

「そう?普通デショ」

彼は表情を変えないまま、ケーキを口に運ぶ。


2人っきり
学校とは違う、穏やかな空気

嫌味も不機嫌さもない、常温の蛍


いつもとは違う彼の温度に、無意識に緊張してしまう。


付き合って、学校では見ない蛍の姿を沢山目にするようになって

“そんな顔もするんだ”

そう思った。



すると、こちらを見た彼と視線がかち合う。


そして、怪訝そうな顔でひとこと
『なに?』


不機嫌とは違う、ちょっと困った様な、そんな顔。

「ううん、別に。何でもない」

学校とは違うね、なんて言ったら、きっと不機嫌になる。

だから言わない。


そんな風に考えていると、必然的に会話が少なくなる。

こうやって2人きりの時は、ちょっと気まずい・・・と思っているのは私だけかも。

もともと蛍はお喋りな方じゃないし、あまり人とワイワイする感じでも無い。


2人でいる時、沈黙が辛い訳じゃないけど、一緒にいて蛍は気まずく無いのかな・・って、ちょっと不安になる。

だからといって、無理に話そうとすると、かえって変な雰囲気になるので余計に逆効果。


山口君はああ言ってくれたけど、“彼女”という役割を担えているのか、凄く疑問だ。


多分、嫌われてないっていう自信はあるんだけど

好かれる確信が持てない

それが本音。


“私のどこが好き?”
蛍にそんなことを聞けるわけもなくて。


そう考え込んでいると、今まで自然に出来ていた動作がぎこちなくなって


『何考えてるのさ』

私の異変に気が付いた蛍から、鋭い質問が投げかけられた。

「えっ!?いや、何でもない、ちょっとボーッとしてただけ」

『・・・男の部屋で気抜くなんて、余裕だね』

そう言って、ニヤリと笑う。



その意味を理解して、急に恥ずかしくなった。


「っ!」
言葉に詰まる。

『何想像してるのさ』
嘲笑う様に私を見る。


恥ずかしさで、口に運ぼうとしていたフォークを持った手が止まる。

この先を期待している気持ちもあるけれど、正直、緊張の方がちょっとだけ大きい。
/ 53ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp