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ハイキュー!!夢小説

第1章 黒尾夢



何度か黒尾が
『かな、キスしよっか?』
とニヤニヤしながら言ってきたことがあった。

でも、
「はいはい、そういうのは本気で好きな相手にしなよ!」
「また~調子に乗って!そんなんじゃビビらないから!」
と、かわしていた。

その度に黒尾は
『へいへい、さいですか』
と、いつもと変わらない様子で
口元の笑みを浮かべながらニヤニヤした顔でこちらを見下ろしていた。


黒尾は私の事が本気で好きなわけじゃない。
たまたま身近にいた異性で、後腐れ無く友達以上の関係を築けそうな相手

それが私だっただけ。





学校からの帰り道も、最近人気の歌手がどうだとか、昨日のお笑い番組がどうだとか、そういったたわいもない話をしながら歩く。


どうして私に告白したの?


いつか聞いてみたかったけど
この関係が壊れてしまうんじゃないかと思って、言葉には出来なかった。

無意識の内に空返事になっていた様で、
それに気付いた黒尾が顔を覗き込んできた。

『かなチャン、折角彼氏さんと一緒にいんのに、何考えてんの?』

顔の近さに一瞬驚いた。

それを隠す様に
「その大好きな彼氏さんの事を考えてたら、ぼーっとしちゃってたみたいですぅ~」
と、茶化しながら答える。


気まぐれというか、ちょっと青春してみたい
でも本気で恋愛するのは面倒くさい
黒尾はそんな軽い気持ちだったんだよね。


『マジで?可愛いこと言うねぇ。襲いたくなっちゃうわ』
と、またふざけた様子でこちらを見て来る。


そんな会話をしていたら、あっという間に家に着いた。

「じゃあね、クロ。また明日。」
そう言って手を振ろうとすると、

『何だよ、折角可愛いかなの顔見れたと思ったのに、もう家かよ?なぁ、ちょっと寄って行っていいか??』

珍しく帰りたく無さそう。

『家に帰ると、かーちゃんが勉強しろだの何だのってうるせぇんだわ。受験は終わったってーの』


あぁ、成程ね。


今日は母親も夜勤でいないし、父親も出張中でいない。

彼氏を連れてきて冷やかされる人はいないし丁度良いか、と思い、中に招き入れた。
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