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ハイキュー!!夢小説

第2章 木兎夢


『あの人、一見うるさそうなだけだけど、実は5本の指に入る凄いスパイカーなんだよ』
親友が得意気に教えてくる。


“あの人、そんな凄い人なんだ・・・”


そんな中、梟谷と他校の試合が始まった。


親友は最前列でお目当ての赤葦さんに見入っており、彼がトスを上げる度に、「やっぱりカッコいいよ〜赤葦さん」と、呟いていた。

私はと言うと、親友の隣で、人一倍元気の良い主将を見ていた。
いや、実際には、見ていたというか、無意識に目で追っていた。
親友の言った通り、彼のスパイクはとても強烈で
地面に叩きつけられるボールの音が、何度も館内に響いた。
スパイクが決まる度に、温度が上がって行くのが見てとれる。



『いいトス寄越せよ〜赤葦!』
『ヘイヘイヘーイ!』
『俺って最強!』


勢いのある声が響いていた。



猪突猛進。
全力投球。
自分だけじゃなくて、周りも巻き込んで士気を上げてしまう人間性。

それに私自身も引き込まれて、まんまと見入ってしまっていた。


ピーーーーッ


試合終了のホイッスルが鳴る。
梟谷の勝利だ。

『いや〜カッコいいよおおお!!』
「はいはい」
興奮気味の友人をよそに、受け流す様に返事をする。


思ったより、バレーって楽しそう。
そう思いながら、お腹もすいたし、早くクレープ食べに行こうよ、と声を掛けるも、
『赤葦さんが試合後のストレッチするから、もう少しだけ待って!』

やれやれ、まだ時間がかかりそうだと思った私は、喉でも潤そうと、仕方なしに自販機を探しに1階へ降りる。
階段を下りてすぐの角を曲がった所で、人影が見えた。
丁度、自販機前でスポーツドリンクを飲んでいる人がいた。
バレーの選手であろう、背が高い。

自然と見上げる形になってふと斜め上を見上げると、先程試合を終えたばかりの梟谷の、あの主将だった。

タイムリー過ぎて驚いた私は
「うわっ!」
と声に出してしまった。

『ん?お・・・?あぁーーーっ!!』
こちらを指さして驚いている。

『さっき2階で試合見てた子!?』
どうやら、観客席にいた私達の事を知っていた様だ。

“家族でも同じ学校でも無い人が、あんなに食い入る様に試合見に来ているなんて、そりゃ目立つよね”
そう思いながら、「はい」と頷いた。
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