第2章 君の優しさ
まあ、簡単にまとめると、こういうことだ。
----『プリンス』とは?
・プリンスとは、この 早乙女学校の名物 みたいなもので学校中から人気者の男子のこと
・プリンスは毎年早乙女校長が決める
(いない年もある)
・人数は不規則
・自ら希望はできない
・プリンスになった人は学食が無料で食べれる
しかし---
彼女を作ってはならない
ちなみに、初代プリンスは林檎先生と龍也先生。
現在のプリンスは、音楽部の11人。
(三年生はいない。)
音楽部にプリンスが集まっていて、音楽部に入りたい女子が増えたため、部に入るための試験を行っている。
…………ということらしい。
「……へ、へぇ……。な、なんか凄いね、それ。
……って、林檎先生が初代!?
何で?だってあの人---」
春歌「男性ですよ。」
女性でしょ?と、言葉を続けようとしたけどそれは春ちゃんに遮られた。
「え、だってあの先生どう見ても女性だよ!?」
友千香「んまあ、見た目は私達より可愛い位だし?
女装でよくあんなになれるよね。」
友ちゃんの言葉に、思考が停止した。
(ま、マジか……。)
友千香「んじゃ、あたし達まだ用事があるから、じゃあっ!」
……タッタッタッ…………
友ちゃんと春ちゃんは私を取り残し、どこかへ行ってしまった。
----
(一ノ瀬さんが……プリンス…………か。)
『プリンスは彼女を作ってはならない』
……ズキンッ
(あれ、なんか今、心臓が変な感じがした……。
何なんだろ?コレ……。)
一人廊下から窓の外を見る。
そこには、私の今の心を表すような曇り空が広がっていた。