第2章 夢の終わり
「ごめんなさい。」
彼女は俺に謝った。その謝罪の言葉は彼女の気持ちをそのまま映すように、俺の記憶に刻まれていく。
「知らなかったことだし、知る必要もないことだよ。俺の方こそごめん。このことはクラスの人には言わないでくれ。」
彼女は瞳の奥の燃えたぎっていた炎を沈め、優しく微笑んで席に戻った。
俺のことでまだ、そんなに怒ったり悲しんでくれる人がいるのだと、少しだけ安らかな心持ちになった。
自分の席に戻り、窓の外の山を眺め、その山の頂上へと登る龍を夢想した。
それはきっと、久しぶりに誰かの言葉に嬉しいと感じた心の写しなのだろう。