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残り音

第3章 第3章 世界の理


彼女は名をツムギという。その名を付けたのは親ではないことは確かだが、親の存在も名前を付けた人物も知らない。

彼女はこの世界に存在する人種の中で、2番目に人口の多い記録者であった。
2番目と言っても受動者の69億人以上に対し、せいぜい1万人程度の数である。
次いで監視者、最後に変革者となる。変革者ともなると歴史上12人しか確認されていない。

受動者はこちら側を知らない。迷い込んだり、干渉される者はいても、それを物語のようにして受け入れて溶かしていく。それこそその数に飲まれ、事実は空想へと変わる。

監視者は記録者の親、もとい飼い主のような存在である場合が多い。それは監視者が複数の記録者の記憶を統括しているという関係性と、記録者の他の人種と異なるある特性に起因する。

記録者とはこの世界を見てその隅々までを記憶し、監視者に報告する人種である。
記録者の共通点は、自動記憶による脳への過負荷により白髪白眼であること。
そして、他の人種と異なり、現実世界に対しての物理的干渉ができない。
これは監視者は優劣の判断基準とし、記録者を下位の人種として扱う。

大半の記録者は感情が希薄になってしまうが、彼女はある目的を持ち、遭遇することが奇跡でもある変革者を探していた。
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