第7章 「 私の幼馴染 」 孤爪研磨
「ねえ、研磨くん。研磨くん!!!!」
何度も何度も名前を呼ぶと、研磨くんははっとしたように立ち止り、こちらを見て「ごめん」とつぶやいた。
「いたくなかった?」
研磨くんは私の手を離して尋ねる。
「全然。それは痛くないし、大丈夫だったけど…。」
なんとも気まずい雰囲気である。
「どうしたの?」
「・・・・・・。」
「研磨くん?」
「えっと、身体が勝手に動いて。」
「どういう仕組み?!」
理性の塊みたいな研磨くんが、頭より先に身体が動くなんて、どういうことだろう。
「うーん…。急激に距離を詰める後輩と真由を近づけたくなかったのかも。」
「??ちょっと意味がわからないんだけど・・?」
「わからないなら、いいや。」
「え?そう…なの?っていうか、リエーフくん、いいの?あのままで。」
「ごめん。お願いだから、今、リエーフの名前出さないで。あとで、謝っとくし、真由は気にしないで。」
研磨くんはそう言うと、また学校へ向かって歩き始めた。
う・・ん?なんだったんだろう…。