第7章 「 私の幼馴染 」 孤爪研磨
「あのなあ、俺がいないと何にもできないんじゃ、お前、どうすんだよ。」
「どうするって、何が。」
「わかってるくせにな。もうお前らめんどくさいんだよ。早く付き合ってしまえ。」
鉄朗は口癖のように「早く付き合え」と言う。
よく言うけど、なぜ言うのかはわからない。
「付き合うとかは、無理だから。」
「はあ?!何で。好きなんだろ?」
「好きだけど、付き合うには色々ステップ踏まないと無理でしょ?」
「何だよ、ステップって。」
「告白とか、告白とか、告白だよ!」
「いや、すればいいだけの話だろ?」
なんだろう…。
モテる人ってこういうこと簡単に言うよね。
悔しいけど、鉄朗はモテるんだよ。
何がいいのか、どこがいいのかはよくわからないけれど、彼女とっかえひっかえ。
そういう人だから簡単に言えるんだよね。わかります。
私が難しい顔をしていると
「まあ、お前のことだしな。自分のタイミングでやってみれば?」
「急に意見変えるんだ。」
「まあ、お前が頑固なのはよく知ってますから。」
鉄朗はそう言うとまた、視線を本にもどした。
何?
「俺、妹のことわかってます☆」みたいな?
なーんか、むかつく!!