第1章 「 先輩 」 菅原孝支
「あれって、本当ですか?」
「や、えっと、その…。」
スガに目をじっと見つめられ
そらすことができない。
「その、本当…かな?」
「それ、いつからですか?!」
「え?!っと…えー?高校の時?」
「すっごい前じゃないですか!!」
そうだよ
好きだったけど
言えなくて
言えなくて
今日まで来てるんだよ
だって、スガ、明らかに潔子ちゃん好きそうだったんだもん!!
「あのね、先輩、だから浮気されちゃうんですよ。」
「え?!その話もしたの?!」
「いや、その話を聞いてほしかったんでしょ?!」
うん、まあ、そうなんだけど。
全く記憶がない。
話したんだ。
「で、話もどしますけど。他に好きな人がいるのに、誰かと付き合っちゃったら、ほら!それは、向こうもなんとなく、そうなってくるじゃないですか!」
いや、まあわかってたよ
スガが好きなのに、他の人と付き合ったりして
彼氏いる間はスガとはふたりで会わないようにして。
そうすれば、この人のことが大好きになるかも なんて考えて。
それで、スガよりも好きになれた人なんてひとりもいないんだけどね。