第1章 「 先輩 」 菅原孝支
「もう、彼氏なんていらない~!!」
「それ、彼氏と別れるたびに言ってますよね…。」
「今回は本気!!男の人はみんな浮気するんだもん!無理!!」
先輩、浮気される率高すぎるんだよなあ…。
なんで、先輩と付き合う男の人はみんな浮気するんだろう。
「浮気しない男ならいいんですか?」
「そんな男、いないもーん!!」
「俺とか、どうです?」
アルコールの勢いもあってか
普段は言えない言葉が
いとも簡単に俺の口から出た。
「え~?スガ~?」
「そうそう!俺、どうです?」
「スガは~、だめ!」
いや、わかってたけど
普通にショックだ
先輩にとってはただの後輩だよなあ…。
「なんでダメなんですか?」
「だってー、スガと別れたら誰に話し聞いてもらうのー?いなきゃ困る!!」
「なんで、別れる前提なんですか?!」
「えー?!だって、浮気するじゃん!」
「しませんよ!」
「いやだー!スガとの繋がりなくなったら困るもん~!!スガのこと好きだもん~!!」
「え?!先輩、俺のこと好きなんですか?」
「えー?そうだよ~。スガのことが一番すきだよ~。」
当たり前じゃーん
なんて言いながら
さっきまで泣いていたのが嘘のように
今度はうとうとしだす先輩
自由人すぎる…
「スガー!眠くなってきた!」
「いや、まだ話が終わってないですよね?!」
「うーん?だって眠いんだもーん!」
ダメだ。
これは、ダメだ。
「先輩!ちょっと!」
「おやすみ~。」
そう言って先輩は寝てしまった。