第4章 「 かたおもい 」 西谷夕
昼休み、一緒にお弁当を食べようとノヤを誘った。
体育館裏に。
今日は暖かいとはいえ、この寒い時期に 外でお弁当食べよう と誘ったのは
人のいなさそうな場所を考えに考え抜いた結果。
私の勘は当たり、誰もくる気配がない。
「お!お待たせしました~!!」
そこにノヤが両手いっぱいにたくさんのパンを抱えてやってきた。
「すごい量だね!!」
「食わないと、腹減っちゃうんですよねー!」
にっこにこの笑顔でたくさんのパンを見せる姿、か、かわいいじゃないですか!!
「食べます?ここで大丈夫なんですか?寒くないです?」
「いいんです。ここが!」
「なんで敬語なんですか!!」
笑いながらノヤは壁にもたれて座った。
その横に私もちょこんと座る。