第4章 「 かたおもい 」 西谷夕
「ごめんね、急に誘って。」
「全然!!俺、嬉しいんです。真由さんが卒業しちゃう前に、ふたりでお弁当食べられて。」
嬉しそうに言うノヤ。
裏表のない子だから、本心を言っているのがわかる。
その言葉だけでも、私は満足だよ…。
「「いただきます。」」
ふたりで手を合わせ、食べ始めた。
っていうか、改めてふたりって緊張する…。
「あ、あのさ、ノヤは好きな女の子とか、いないの?!」
てんぱりすぎて序盤で本題を切りだしてしまった!!!
「うぇ?!!」
私の言葉にむせて咳き込むノヤ。
「え、ごめん、大丈夫?」
「だ、大丈夫ですけど…。どうしたんです?急に。」
「いや、ノヤのそういう話、聞いたことないな~…と思って。」
そう言う私の顔をじっと見つめ、しばらくするとため息をついて
「…いますよ、好きな人。」
そう答えた。
でしょうね!!
潔子ですもんね!!