• テキストサイズ

【HQ】ストロベリーシンドローム

第4章 「 かたおもい 」 西谷夕


初めて手伝いに行った日、ノヤが私に声をかけたのを今でも覚えている。

「手伝い、ありがとうございます。いつも潔子さん、ひとりで大変そうなので。石井先輩がいて、とても助かってると思います。」
「全然、役に立ててないんだけどね。」
「そんなことないです!本当、ありがとうございます。」

笑顔でそう言うノヤを「かわいいな」と思った。

「じゃあ、まだ部活、あと30分くらいあるので、よろしくお願いします!!!」
「ありがとう。」

練習もしなくちゃいけないのに、私を気にかけて声をかけてくれたんだ。
って気づいたら、優しい人だなって思った。

それまで、めまぐるしく、言われたことをやるのに精いっぱいだった私は
初めて、ノヤがプレイしているところをしっかりと見た。

強いアタックも、サーブも、どんな球でも拾う姿。
バレーに向き合う真剣な顔。

それを見たら、もう、手遅れだった。
なんてかっこいいんだろう。
そう思うと、胸が高鳴った。
/ 260ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp