第4章 「 かたおもい 」 西谷夕
高校3年生の冬。
烏野高校に通えるのもあとわずか。
ノヤに会えるのも、あと何回だろうか。
私は、ひとつ年下のノヤが好きだ。
これは、誰にも言っていない気持ち。
なぜ、誰にも言わないかは簡単な話。
だって、ノヤは潔子が好きなんだよね。
なのに、誰かに自分の思いを打ち明けるのって虚しいだけだもん。
出会った時から
ノヤは「潔子さん!」「潔子さん!」っていっつも言ってる。
大好きなんだろうな。
何度かバレー部のマネージャーを手伝ったことがある。
最初は、潔子に誘われたのがきっかけだった。
マネージャー業務って楽そう! なんて気軽に行った私がバカだった。
部員たちの体調に気を配って、記録を取って、飲み物用意して、洗濯して、片づけ、ケガのフォローなんでもする。
それをこなす潔子は本当にすごいと思った。