第3章 「 クリスマス 」 月島蛍
「真由へ
真由も知ってるとおり、僕は素直に自分の気持ちを言うことができないので、今日は手紙を書きました。
読むのも本当は恥ずかしいんだけど、頑張って読みます。
僕と真由が付き合い始めてもう6年が経ちますね。
高校3年生のとき、バレンタインデーに真由が真っ赤な顔で僕に告白してくれたこと、今でも覚えています。
僕は「別に、付き合ってあげてもいいけど。」なんてそっけなく返事をしたね。
本当は僕もずっと、真由のことが好きだったから、とても嬉しかったです。
付き合い始めてから、いろんなことがありましたね。
初めての旅行で温泉に行った時。
「旅行」に緊張しすぎて、温泉でのぼせてた真由。
今でも思い出すとほほえましいです。
あのときは言わなかったけど、本当は僕も緊張していました。
それから、水族館に遊びに行った時。
雪もチラつくなか、一緒にイルカショーを見たね。
水が大量にかかってまさかのびしょ濡れ。
それでも笑って、
「真冬で!雪も降ってるのに!びしょ濡れ!!こんな経験もう二度とできない!」
なんて言うポジティブさにびっくりしたし、すごいとも思った。
些細なことでたくさん喧嘩もしました。
そんな中でもいつも優しくて、僕の気持ちを大切にしてくれて、寄り添おうとしてくれて。
でも、自分の意見をしっかりと伝えてくれる真由のことが僕は大好きです。
最近、昔の友だちと集まると、よく言われることがあります。
「丸くなったね。」「よく、笑うようになったね。」
いつも笑顔で、ポジティブな真由と一緒にいたから、変われたのかな?と思っています。
一緒にいると楽しくて、幸せで、真由と付き合えている僕は本当に幸せです。
僕は「真由を守る」なんて簡単には言えないけれど、
真由を好きな気持ちはだれにも負けません。
僕はいつまでも、大好きな真由とずっと一緒にいたい。
毎日、同じごはんを食べて、毎日、同じベッドで寝て。
たまには旅行や、外食にも出かけて。
これからもずっと、二人の思い出をたくさん増やしていきたい。
それが素直な僕の気持ちです。」
そこまで読んで、僕は真由の前に跪いた
「だから、僕と結婚してください。」