第3章 「 クリスマス 」 月島蛍
「お邪魔しまーす。」
いつものように靴を脱ぎ、部屋に入ると真由が固まった。
「え?!え?!?!何これ?!」
僕の部屋には似合わないクリスマスツリーとクリスマス仕様に装飾された壁。
「用意してみた。」
「うえええええ?!蛍くんが?!嘘でしょ?!信じられない!!」
そこまで驚かなくても…
と、思ったけど、まあ、確かに今までクリスマスに部屋を飾るなんてしたことなかったからな…
「かわいい~!」と言いながら部屋の飾りをまじまじと見る真由。
その姿が見られただけでも準備してきてよかったと思う。
「で、ちなみにごはんは僕が今から作るから。」
「・・・・・?!はい?!」
「いや、だから、作るから。」
「いやいやいやいやいや!!蛍くん、料理なんてできないじゃん!!」
「できるから!!」
料理もこの日のために何度も練習した。
難しいものは作れないけど、何度も練習したオムライスを作り始める。
真由は僕がオムライスを作る姿をすぐ横で心配そうに見ている。
「気が散るんだけど。」
「いや、心配すぎて!」
「大丈夫だから。座ってて。」
僕に言われ、椅子に座るが、こちらが気になって仕方ない様子。
でも、何度も練習したオムライス。
毎日のように作ったかいがあって、今までのなかでも最高のでき。