第3章 「 クリスマス 」 月島蛍
「真由は?なんて書いたの?」
「蛍くんが言わないから秘密だよ~。」
「あっそう。」
「もうちょっと知りたがってよ!!」
「え、ごめんごめん。」
適当に謝る僕を見て「もう!」と言いながらも笑顔の真由。
こういうのが幸せなんだろう、とふと気付く。
「蛍くん、何笑ってるの?」
「え?僕笑ってた?」
「うん。にやにやしてたよ~。」
「あー、気のせいじゃない?」
「気のせいじゃないよ!幸せそうな顔してたじゃん!」
素直に自分の気持ちを言うのが苦手な僕。
でも、真由は僕の顔を見るとなんとなく察してくれる。
それが、心地いいんだけどね。
ゆっくりイルミネーションを見てメインのツリーの前で写真を撮ると
「満足した!ありがとう!蛍くんのお家行こう!」
と真由が言った。
そのまま、一人暮らしをしている僕のアパートへと移動する。
「ねえ、食べるもの、買わなくていい?」
「うん。出前頼んでるから大丈夫。」
「え?そうなの?わーい!なんだろう。楽しみ~。」
なんて会話をしながら歩いた。