第3章 「 クリスマス 」 月島蛍
「人いっぱいだねえ!!」
「まあ、クリスマスだからね。」
「人混み嫌いなのに、付き合ってくれてありがとう。」
「別に。平気。」
駅に着くと広場の真ん中に空にも届きそうな大きなクリスマスツリーが飾られ、その周りをぐるっとサンタクロースや天使の形をしたイルミネーションが並んでいた。
「うっわー!!とってもきれい!!」
真由はイルミネーションに負けないほど、目をきらきらと輝かせた。
ひとつひとつ、イルミネーションを見ていくと、途中、小さなツリー(と言っても、僕の背丈くらいある立派なものだけど)の前に人だかりができていた。
ツリーの前には
「願いの叶うクリスマスツリー」
と書かれた看板が立っている。
「短冊に願いを書いてつるすと、そのお願いが叶うって書いてあるよ?」
「え?それって七夕じゃないの?」
「たしかに!!でも、せっかくだし書いてつるそ~!」
真由に言われ、用意されていた星型の短冊に願いを書いた。
「蛍くん、なんて書いたの?」
「言わない。秘密。」
「えー!見せてよ。」
「だめ。」
僕が頑なに拒否すると、真由は頬を膨らませ、怒る仕草をした。