第13章 「 ハロウィン 」 月島蛍
「え、私、もうお菓子持ってない。」
「でしょうね。」
「何で知ってるの?!」
「さっき、お菓子を持ってるか聞いたら“持ってた”って過去形で答えたから。」
ツッキーは笑顔でそう答える。
「ねえ、どうする?石井が僕を喜ばせるか、僕が石井にイタズラするか。選んでいいよ。」
「…笑顔が怖いです。月島くん。」
「はははっ!何言ってるの?」
見たことない笑顔だよ、この人。
「さあ、選んで?」
ああ、どちらを選んでも、同じ結末なのですね…。
「い、いたずらでお願いします。」
私がそう答えると
ツッキーは声を出して笑った。
「じゃあ、目閉じて。」
私は意を決して目を閉じた。