第12章 「 同窓会 」 澤村大地
「あの、えっと、澤村くんって、彼女、いるの?」
「え?!どうした、急に…。いないけど。」
「そうなんだ。」
私がそう言うと、澤村くんは、少し考えてから口を開いた。
「さっき、言いかけてたこと。」
「あ、うん。」
「俺、高校の時、石井さんにとってのペチュニアみたいな存在になりたいって思ってた。」
「え?!そ・・・?!え?」
「まあ、スガから色々聞いてるんだろ?」
そう言われ、お店で菅原くんに言われたことを思い出す。
「それ、嘘じゃないから。」
笑顔でそう言う澤村くんは何かふっきれたようにいい笑顔をしている。
「えっと、でも、道宮さんがいたよね?」
「道宮?なんで道宮?」
「え、付き合ってたんだよね?」
「何それ!付き合ってないよ。友だち、友だち。」
そ、そうなんだ…。
「私もね、高校の時、澤村くんのこと、好きだったよ。」
それまで言おうとも思っていなかった言葉がいとも簡単に口から出た。
その言葉に自分でも驚く、恐る恐る澤村くんの顔を見ると面食らった様子で固まっている。
「あの高校生活で、澤村くんは、私にとって ペチュニア みたいな存在だったよ。」
できるだけ、笑顔を心がけ、私の気持ちを伝えた。
私の言葉に、澤村くんは微笑んだ。