第12章 「 同窓会 」 澤村大地
全員で店を出て解散になった。
みんなは
「また集まろうね。」
なんて話をしながら散り散りに帰って行く。
「じゃあな、石井さん。」
「またね~。」
澤村くんと菅原くんに声をかけられ、手を振る。
もう、会うこともないのかな。
さっき、澤村くんは、何を言おうとしたのかな。
このまま、バイバイしていいのかな。
後悔、しないかな…。
これきり、次の同窓会まで会えないなんて嫌すぎる。
まだ、間に合うかもしれない。
すぐ、近くにいるかも。
私は、澤村くんたちが歩いて行った方向へ走った。
「さ、澤村くん!!!」
「え?石井さん、どうしたの?」
息を切らして話しかける私に、少し驚いた様子で澤村くんは尋ねた。
「その、えっと…菅原くんは…?」
「ああ。スガはタクシーで帰した。多分、家の前まで行けば部屋まで行けるから。あいつ。」
「そうなんだ。」
結構酔ってたのに、すごいな…。