第12章 「 同窓会 」 澤村大地
そして澤村くんとふたりで高校時代の話で盛り上がる。
先生のことや、行事のこと、共通の思い出を話した。
「澤村くんさ、高校の時バレー部だったよね。」
「お、すごい。よく覚えてるね。」
「覚えてるよー。応援に行ったこと、今でも覚えてる。」
「あー。懐かしいな。あのころはバレーに夢中だったからな。」
澤村くんは、目を細めた。
春高、応援しに行ったな。
キャプテンとしてチームを引っ張る姿にときめいたよね。
かっこよかったな。
「バレーしてるとこ、かっこよかったよ。」
私がそう言うと澤村くんは驚いた様子で
「石井さんってそういうこと言うキャラだったっけ?」
と言った。
「うーん。私も、ちょっと酔ってきたのかも?」
「石井さんまで潰れないでね?!」
「大丈夫。そのあたりは考えて飲んでます。」
「ならいいけど。」
そう言うと、澤村くんは笑った。
「石井さんはさ、園芸部だったよね。」
「え、それこそ、よく覚えてるね。」
「まあ、ね。いつも花に水やったり、草取りしたりしてたじゃん。」
「私以外はみんな幽霊部員だったからひとりでやってたんだよね。懐かしい。」
夏の暑い日も
冬の寒い日も
花壇の手入れをやってたんだよね…。
懐かしい。
そう言えば、高校時代、水やりしてる私に澤村くんが声をかけてくれたことがあったな…。