第12章 「 同窓会 」 澤村大地
と、その時、澤村くんのスマホが鳴った。
「あ、ちょっと電話。」
そう言うと、澤村くんは居酒屋から出ていった。
電話、誰なんだろう。
友だち?彼女?
っていうか、奥さんって可能性もあるよね?!
指輪確認しなかったな…。
「あのねー。だいちはねー、石井さんのことがすきだったんらよー。」
「え?」
「あははー。びっくりしたー?」
「びっくりっていうか…。え?」
「あははー。」
「え?菅原くん?」
「・・・・。」
寝ました?!
え。寝てます?!
あれかな、酔っ払いの妄想かな…。
だって、そんなわけないよね。
道宮さんいたんだし!!
なんて思っていると、澤村くんが戻ってきた。
「電話、大丈夫だった?」
「ああ。大丈夫だったよ。仕事のことでちょっとね…。ってか、スガ寝てんの?」
そう言いながら、澤村くんは菅原くんの顔を覗き込んだ。
なんか、菅原くん、いびきまで掻いてるんじゃ?
「うん、さっき寝ちゃった。」
「しかたない。寝かせとくか。」
「そうだね。気持ちよさそうだし。」
「スガ、変なこと言ってなかった?」
そう聞かれ、さっきの菅原くんの言葉を思い出す。
「うえ?!へ?!し、しなかったよ!!」
「え、何、その動揺。」
「動揺?!してないよ!」
「いや、してる。石井さん、うそ下手過ぎ。絶対余計なこと言ったでしょ、こいつ。」
私が言えずに困っていると
「まあ、酔っ払いの戯言だと思って、無視していいから。」
「わかった。」
澤村くんの言葉にうなずいた。