第12章 「 同窓会 」 澤村大地
店員さんに案内され、みんなが集まっている場所へと急ぐ。
「お連れ様、お見えになりました。」
店員さんがそう言うと、私に一挙に視線が集まる。
「あ、えっと、遅くなりました。」
そう言いながら、彼の姿を探す。
「久しぶり、石井さん。」
見つけ出す前に、彼が私に声をかけた。
ただのクラスメイト。
連絡先も知らない。
SNSで繋がってるわけでもない。
そんな私のことを覚えていてくれた。
それが、こんなに嬉しいことなのか、と。
私がその喜びを感じていると、
「石井さんかー!わからんかった!」
「きれいになったなー!」
と、口ぐちに言われた。
「いやいや!そんな!とんでもないです。」
「まあ、ここにすわりなよー!!」
そう言われ、空いている席に座る。
そこは、澤村くんの斜め前の席。
ちかい、見える。すぐ、そこにいる。