第11章 「 さんかく 」 影山飛雄*月島蛍
「つ、ツッキー。」
下校しようとすると、校門に石井さんが立っていた。
「何やってんの?」
「えっと、ツッキー待ってた。」
「バカなの?何時だと思ってるの?」
時刻は午後8時。
「えと。どうしてもツッキーと話したくて。今日は忙しい?」
少し、心配そうに僕の顔を見上げた。
っていうか、こんな時間に追い返すわけにいかないし。
「いいよ。今日は暇。家まで送る。」
「ありがとう!!」
石井さんは、顔を明るくした。
っていうか、影山、先に帰ったんだから、ちゃんと送っていけよ。
「ツッキーとこうやって喋るの久しぶりだね。」
「そうだっけ?」
「そうだよ。」
石井さんは少し、嬉しそうだ。
僕と話せなくて寂しいと思ってくれてたのかな。
それだけで、僕は充分だけど。
「そういえば。よかったね。」
「え?何が?」
「影山から聞いた。告白、されたんでしょ?」
僕がそう言うと、石井さんは驚いた顔をした。
「あ、知ってた?」
「うん。だから言ったでしょ。影山は石井さんのことが好きだって。」
「あー。そうだね。ツッキーはそう言ってたね。」
「返事、したんでしょ?」
「・・・うん。」
ああ。
そう。
ということは、付き合い始めたのか。