第11章 「 さんかく 」 影山飛雄*月島蛍
学校から帰る途中、ツッキーを見つけた。
「ツッキー、見つけたー!」
声をかけ、ツッキーの横に並んで歩く。
私が話をしようとすると、ツッキーは私を睨むように見つめた。
「何?」
「えっと…別に。用はないんだけど。」
「じゃあ、いい?僕、急いでるから。」
「え、あ、うん。」
「じゃあね。」
そう言うと、ツッキーは早歩きでどんどんと進んでしまった。
私がどれだけ頑張ってついて行こうとしても、とてもじゃないけど、歩いてはついていけない早さ。
こんな風に冷たくされるのは、今日に始まったことではない。
最初は、ただ忙しいのかな?
って思ってた。
でも、ツッキーに誘われて一緒にお弁当を食べた次の日から数週間。
ツッキーは私に冷たい。
声をかけても、冷たく返され、メールをしても返事が来ることはなかった。
私、何かした?
考えても、考えても原因が思いつかなくて。
でも、聞くこともできない。
なんていうか、怖い。近寄りがたくなっていく。
直接、何かを言われたわけではない。
でも、
何度声をかけても冷たくあしらわれると、さすがに心が折れる。