第11章 「 さんかく 」 影山飛雄*月島蛍
「真由?どうした?」
声をかけられ、振り向くと、そこには飛雄がいた。
「今、月島と一緒だっただろ?」
「あ、うん。でも…何か用事があったみたい。」
私は、精一杯の笑顔で答えた。
「…うまくいってないのか?」
「え?!何が?」
「月島と。」
あー…。
そういえば、飛雄は私とツッキーが付き合ってるって勘違いしてるんだっけ?
「うまくいくも何も…。別に付き合ってないから。」
「え?何でだよ。」
きょとんとした顔で当然のように聞いてくる飛雄。
「いや、逆に飛雄がどうして私とツッキーが付き合ってるって思ってるのかが疑問だよ。」
「え、だって。普通に両思いだろ?付き合わない理由とかあるのかよ。」
「飛雄、それ勘違いしてるから。」
「え?!」
いや、驚きすぎでしょ。
「本当に?」
「っていうか、いつ、どうやって勘違いしたわけ?」
「だって真由、月島のこと話す時、幸せそうな顔しながら 好き って言ってたから。」
「あと、月島と話してる時も幸せそう。」
「で、最近は月島に避けられててつらそう。」
飛雄は心配そうにこちらを見た。