第11章 「 さんかく 」 影山飛雄*月島蛍
「なんだよ。」
俺が問いかけると、意を決したように、真直ぐとこちらを見据えると、
「私がいちばん、いちばん好きな男の子はね、飛雄なの。」
と言った。
「子どものころから、ずっと、ずっと好きなのは、飛雄なの。」
真由は言葉を選んでいるのか、ゆっくり、ゆっくりと話す。
「飛雄に、好きな人がいるのは知ってる。でもね、それでも、諦められなかった。気持ちは、なくならなかった。」
真由は泣き始めた。
「ツッキーもね、知ってたの。私が飛雄を好きなこと。それでもいいからって告白してくれて、でもね、それでも、いつだって目で追っちゃうのは飛雄だった。」
そこまで言い終わると、真由はまた、俺の目を見た。
「私、飛雄がすき。」
真由の言葉に何も返すことができない。
真由が俺を好き?