第11章 「 さんかく 」 影山飛雄*月島蛍
俺が何も言わないのを見て、真由は口を開いた。
「ごめん。その、気持ちだけ言いたくて。私の気持ち、知ってほしくて。」
「真由。」
「なに?」
「俺も、真由のことが・・・すき。」
俺がそう言うと、真由は目を見開き、驚いた。
「え?大丈夫?それ、私と同じ意味のやつ?」
「なんの心配してんだよ。」
「いや、飛雄、理解力ないから、心配で。」
「そういうこと言うんだ。」
俺はそう言うと、真由を玄関の中へと引き入れ、そのまま抱きしめた。
「ちょ、ちょちょ?!飛雄?!」
腕の中で俺を見上げる真由の唇に俺の唇を重ねる。
唇が触れ合うだけのキス。
「ちょっと!何すんの!!」
「俺の好きは、こういうことしたい好きだけど。違った?」
俺がそう言うと、
「ちがくないけど!!」
そう言うと、真由は怒ったように俺を睨んだ。
その顔が、可愛くて、思わず笑ってしまう。
「俺を選んだこと、絶対後悔させないから。」
そう言ってもう一度真由をきつく抱きしめた。
それに答えるように、真由も俺の背中に手を回した。
絶対に、もう、真由のことを手放したりしない。
そう誓った。
Route - Tobio END