第11章 「 さんかく 」 影山飛雄*月島蛍
玄関チャイムが鳴り、扉を開ける。
そこには、真由がいた。
「どうした?」
俺の問いかけに、真由は笑顔で答える。
「飛雄に、どうしても言いたいことがあって。」
「なに?また月島の話?」
話って…また、どうせ月島のことだろ?
「違うよ。ツッキーとは、別れた。」
思わぬ言葉に俺は面食らった。
「え?!な、何で。」
昨日、学校で見かけたときも、ふたりで楽しそうに喋っていた。
部活の前は山口が月島に「明日デートなんだよね?」なんて言ってからかってるのも見た。
それが、どうして?
「私、本当は、ずっと…その。」
真由は次の言葉を言い出せず、困っている。