第11章 「 さんかく 」 影山飛雄*月島蛍
ツッキーは、何も言わない。
ただ、いつも学校で話してるみたいに、他愛もない話をしてくれた。
そんな話を10分も続けたころ、私の中で限界がきた。
「ツッキー。」
「何?」
「好きって言うこともできなかったよ。」
「そう。」
「何で、もっと早く言わなかったんだろう。」
「・・・・。」
「後悔しても仕方ないのに、後悔しかない。」
「・・・・。」
「ツッキー、せっかく応援してくれたのに、ごめんね。」
「なんで?」
「・・・え?」
「石井さん、悪いことしたの?」
「えっと・・・。」
「謝ることない。よく、頑張ったと思うよ。」
ツッキーのその言葉を聞いて、さらに涙があふれ出る。
「あ、ありがとう、ツッキー。」
「別に。僕、聞き上手なんでしょ?今聞かなくて、いつ聞くんだよ。」
「ははは。そうだったね。」
思わず笑ってしまった。
「石井さんの話したいこと、全部聞くよ。」
優しいツッキーの言葉。
私は、その言葉に甘えて、飛雄との思い出や飛雄への気持ち、全てを吐き出した。
ツッキーは私が眠るまで、私の話を聞いてくれた。
というのも、気が付いたら朝で、ツッキーからメールが来ていた。
《もう、寝たみたいだから、電話切るね。》
も、申し訳ない~!
ツッキー、いい人すぎるよ・・・!
学校に着いたら、まずツッキーにお礼言わないと。