第11章 「 さんかく 」 影山飛雄*月島蛍
しばらく経って、ツッキーにメールをする約束をしていたことを思い出す。
つらいけど、でも、そのつらさを一人で背負いこむのもつらかった。
話を聞いてほしい。
その思いでツッキーにメールをした。
《飛雄、好きな人がいるみたい。部屋に来ないでって言われちゃった。》
しばらくすると、ツッキーから電話がかかってきた。
「えっと。石井さん?」
「そうだよ。電話、初めてだね。」
ひどい、鼻声だと思う。
多分、ツッキーは私が泣いてることに気付いてる。
でも、何も言わない。
「今、大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。」