第11章 「 さんかく 」 影山飛雄*月島蛍
「ねえ、王様。聞いてないんだけど。」
月島は真由を見ると怒ったように言った。
「いや、話しただろ?友だちが月島と仲良くしたいって言ってるって。」
「女の子っていうのを聞いてないんだけど。」
「ああ。言ってないから。」
俺がそう言うと、月島は少し不機嫌になった。
「ごめんね。月島くん。飛雄の幼馴染の石井真由です。気軽に真由ちゃんって呼んでね!」
「石井さんね。」
「いいね!その、私の言葉を全力で無視する感じ!!仲良くなれそう!」
「僕は無理そう。」
真由と月島、対極にあるような気がする。
「私は、月島くんのことを気軽にツッキーって呼ぶね。」
「やめてもらっていいですか?」
「何でやめないといけないんですか?」
ああ言えばこう言う真由に月島が嫌な顔をしている。
「じゃあ、俺行くから。」
「え?影山、ここからいなくなるの?」
「おう。あとはふたりで。」
「ちょっと困るんだけど。」
月島の言葉を無視してその場を去る。
まあ、でも、あの様子なら月島と真由がどうにかなることもないだろうし。
平気だろ。
昼休みが終わる頃、真由からメールが着た。
『ツッキーから連絡先教えてもらったよ!ありがとう!』
あの月島から連絡先聞いたって・・・すごいな。