第11章 「 さんかく 」 影山飛雄*月島蛍
「あー。月島。ちょっといいか。」
「なに。」
翌日、朝練が終わり、片づけをするタイミングで月島に声をかける。
「えっと、今日、一緒に昼飯どうだ?」
「え?!どうした?!影山!!こわい!こわいぞ!!」
月島に声をかける俺を見て、日向は両腕をさすっている、
寒気を感じるらしい。
うん。まあ、俺もだ。
「大事な話がある。」
月島は怪訝そうな顔で俺をじーっと見つめると
「わかった。」
と、一言答えた。
その意外な答えに拍子抜けした。
しかし、すかさず
「で、何が目的なわけ?」
と畳みかけてくる。
「単刀直入に言うと、俺の友だちが月島と仲良くなりたいから紹介して欲しいって言ってる。」
「うわ、めんどくさ。」
だろうな。
しかも、俺の友だちって、月島が仲良くしたいとは思わないだろうし。
「でも、これで貸し一つ作れるならいいか。紹介されるだけなんでしょ?」
月島はそう言って笑うと、「じゃあ昼休みに」とつぶやいた。