第11章 「 さんかく 」 影山飛雄*月島蛍
「あー…えっと。でも彼女いるから。」
「うん、大丈夫!」
「俺は彼女いるヤツを紹介しません。いつもそうだろ?」
俺がそう言うと、真由は頬をふくらませた。
「でも、月島くんに彼女がいるって嘘でしょ?」
図星をつかれ、どきっとする。
「なんで、そんなこと言うんだよ。」
「飛雄は嘘をつくときには前髪を触るクセがあるんだよ。」
そうだったのか…
そう言われ、少し前の自分は確かに前髪を触っていたことを思い出した。
幼馴染、恐るべし。
「だから、月島くんに彼女がいるなんて、嘘なんでしょ?」
そう言うと、真由はにっこりと笑った。
お見通しなのか。くそ。
「紹介、してくれるよね?」
そう言われ、俺は渋々うなずいた。