第10章 「 終わりと始まり 」 赤葦京治
間に合ったけど、もう赤葦くんいる!!
「赤葦くん!」
私が声をかけると、すぐに気づき、小さく手を振ってくれた。
「ごめんね。待った?」
「ううん。全然。」
赤葦くんはそう言うと、「行こうか。」と言って歩き始めた。
「映画、楽しみだねー!」
「本当に。かなりいいみたいだね。」
「そうなんだ!期待、高まるね!」
「そうだね。」
わかりにくいけど、多分、赤葦くん、相当うきうきしてると思う。
なんか、いつもよりテンションが高いような気がする。
「石井さんは、映画でポップコーン食べる派?」
「あんまり食べないなー。赤葦くんは?」
「俺も食べないんだよね。結局食べきれないし。」
「わかる!!映画見てたら食べられないよね。」
なんて話をしていたらあっという間に映画館に着いた。