第10章 「 終わりと始まり 」 赤葦京治
それから、他愛のない会話をたくさんして、色々なことを知ることができた。
そして、私との意外な共通点も。
《『ヒーローズ』好きなの?!》
《うん、全シリーズ見てるよ!》
《俺も。おもしろいよね。》
『ヒーローズ』は、映画のタイトル。
シリーズ映画で、来週の土曜日から第4作目が公開する。
《次の映画が、楽しみで!早く見に行きたいんだ!》
《そうだよね。俺も楽しみ。》
でも、この映画、晴登と見に行く予定だったんだよね。
赤葦くん、一緒に行ってくれないかな…
《もし、良かったら一緒に見に行かない?》
《いいよ。一緒に行こう。》
ダメ元で誘って、OKがもらえたので少しびっくりしてしまった。
それから、映画を見に行く日まで、毎日メールで連絡を取って、他愛のない会話。
それが生活のなかでひとつの楽しみになっていた。