第10章 「 終わりと始まり 」 赤葦京治
「・・・・連絡先、交換してしまった。」
ベッドに寝転びながらスマホの画面を見る。
「赤葦くん、京治って名前なんだ…。」
画面にうつる名前を見て、なんだか少しドキドキしてしまう。
いや、だめ、だめ!
赤葦くんだって、友だちになりたいなって思ってくれただけなわけで。
別に他意はないんだから!!
なんて考えているとブブブッと携帯のバイブが鳴った。
「メール…赤葦くんだ。」
えっと、《連絡先教えてくれてありがとう》…か
《こちらこそ、送ってくれてありがとう。》
よし。これでOKかな!
ブブブッ
《バイトを頑張っていた石井さんにオススメの動画です》
URLをクリックすると、かわいい猫の動画
「きゃー!!かわいい!!!」
癒される~!
《かわいい!!癒されたー!赤葦くん、猫好きなの?》
ブブブッ
《良かった。猫は好き。よく、動画見ちゃう。》
赤葦くんの意外なギャップに思わず笑ってしまう。
《赤葦くん、かわいい一面あるんだね!》
《それ、褒めてる?》
《もちろん!》
《なら、いいけど。》