第10章 「 終わりと始まり 」 赤葦京治
赤葦さんたちの様子を見ててわかったことは、
多分、お友だちさんじゃなくて、先輩…なのかな?
ずっと敬語で喋ってる。
「石井さん、これ、23番テーブルさんに運んで!」
「はい!」
そうそう。
仕事仕事。
赤葦さんのこと見てる場合じゃなかった。
「お待たせしました!大盛りポテトフライです。」
「わー!うまそ!ありがと~!」
「ねえ、お姉さんバイト何時までなの?」
「えっと、今日は21時までです。」
「へー。じゃあ、あと1時間くらいだ。」
「そうですね。」
「もうさ、夜も遅いし赤葦に送ってもらいなよ。」
「「うえ?!」」
「何言ってるんですか?!木葉さん!」
慌てる赤葦さん、ちょっと新鮮だ。
「いいじゃん。送れば。」
「いやいや!申し訳ないですよ!私、ひとりでも大丈夫です!」
「申し訳ないっていうのは、赤葦が嫌がってたらの話だよね。赤葦、嫌なの?」
「いや、えっと、嫌ではないですけど。」
「はい。じゃあ問題ないね!!」
木葉さんと呼ばれた男の人はにやりと笑ってそう言った。
こうして、赤葦さんに送っていただく形になった。
いや、っていうか、本当、ちょっと喋ったことあるくらいなのに、申し訳なさすぎる・・。