第10章 「 終わりと始まり 」 赤葦京治
「いらっしゃいませ。何名様ですか?」
晴登と別れて5日目。
土曜日の今日はファミレスでバイトの日。
バイトの時間は余計なことを考えなくても済む。
って考えてる時点で、余計なことだよ!
仕事に集中!集中!!!
その時、入店音が鳴った。
よし、大きな声で笑顔で接客しよう!
「いらっしゃいませ!!…って赤葦さん?」
「あれ、石井さん。」
入口を見ると、制服姿の赤葦さんとお友だちさんがそこにはいた。
「わー!すごい偶然!私、ここでアルバイトしてるんです。」
「そうなんですね。」
「土曜日なのに、学校あったんですね!」
「ああ。部活があって。」
「それは、お疲れ様でした。えっと、何名様ですか?」
「4人です。」
「ご案内しますね。」
席まで案内すると、お友だちさんが声をかけてきた。
「何?お姉さん、赤葦と知り合いなの?」
「ええ。まあ。ちょっと。お世話になっております。」
「へー!赤葦、こんなかわいい子と知り合いなんだ!いいな~。」
「紹介しろよ。紹介。」
「え?嫌ですよ。」
「ふーん。」
お友だちさんはにやりと笑って赤葦さんを見つめた。
「それでは。ご注文お決まりになりましたら、お呼びください。」
「はーい!」