第10章 「 終わりと始まり 」 赤葦京治
「あの、大丈夫ですか?気分・・・悪いとかですか?」
声をかけられハッとする。
あれからどのくらい時間が経ったんだろう。
あのあと、家に帰る気にもなれず、公園のベンチに座っていた。
気づけば辺りは真っ暗で目の前には男の子がいた。
男の子は私が泣いてるのを見ると驚いた顔をした。
「えっと、その。大丈夫ですか?何かありました?」
「いえ、大丈夫です。」
私がそう言うと、男の子は心配そうにハンカチを差し出した。
「あ!全然使ってないやつなんで!良かったら。」
「…ありがとう。」
男の子からハンカチを受け取り、涙を拭く。
拭いても、拭いても止まらない涙。
「あの、俺でよかったら、話聞きますよ。」
「え?」
「その、全く接点ない人にだからこそ話せることってあると思うんです。」
確かに、それもそうかもしれない。
「じゃあ、お言葉に甘えて。」
私がそう言うと、男の子は少し間を空けて、私の隣に座った。