第10章 「 終わりと始まり 」 赤葦京治
付き合って1年半の彼。
中学の卒業式の時に私から告白して、付き合い始めた。
でも、お互い別々の高校に進学して、新しい環境。
部活や、バイトがあって少しずつ、ズレが生じたんだと思う。
なんとなく、予感はしてた。
「え…。晴登、何やってるの?」
学校帰り、街で見かけた晴登は、晴登と同じ制服を着た女の子と手をつないで歩いていた。
「ねえ、何やってるの?」
私の問いに答えようとしない。
「ねえ、だれー?この子。」
「えっと、中学の同級生。」
“同級生”?!
「・・・・っ!」
晴登と一緒にいる女の子は「もう行こうよ。」と言いながら晴登の手を引く。
「真由、ごめん。」
ごめん?!ごめんって何?!
どういうこと?!
「もういい。わかった。永遠にさようなら。」
私はそう言い放ち、晴登の頬を思い切り平手打ちした。
茫然と立ちつくす晴登を背に、その場を去った。
あ、やばい。
涙出そう。