第9章 「 ひみつのノート 」 及川徹
その日、家に帰ってすぐにノートを開いた。
分厚いノートの最初のページから、一番新しいページまで、一気に読み進めた。
というか、これは、普通におもしろい。
俺、この話好きだ。
続き、気になる…。
俺は意を決して手紙を書いた。
ファンレター?ラブレター?
どっちでもいいけど。
彼女とのつながりがこれ以降切れてしまうのは嫌だった。
俺の気持ちに気づいたら、気づいた。
気づかれなかったら、気づかれなかっただ。
一文字一文字丁寧に書いて、ノートに挟んだ。
翌日、教室に行っても彼女の姿はなかった。
欠席?寝坊??
しばらく待ったが来ないので、岩ちゃんが迎えにくる前に体育館へと向かった。