第9章 「 ひみつのノート 」 及川徹
ここまで、拒否されると、本当に見たくなっちゃう。
見たくなっちゃうんだよ。
そこで、昨日見たページのセリフをちょっと言ってみる。
「ストオオオオオオオオップ!!!!!」
想像以上に大きな声で遮られる。
この子、こんな大きい声出せるの!意外!!
「何ー?どうしたのー?急に大きな声出して!」
「いや、確信犯でしょ?!」
「女の子がそんな怖い顔しないの!」
しばらく話すと、彼女はあきらめたように話し始めた。
「…はぁ。わかった。」
「え?!ほんと!!いえーい!!」
「ただし、約束があります。」
「何?俺、ちゃんと守るよ!!」
「このことは、誰にも言ったらダメ、見るのも絶対ひとりで見て。その約束が守れないなら無理。そしてできれば見終わった瞬間に内容を忘れて。」
中、見られるの嫌なのか。
恥かしいのかな・・・?
あんなに上手だったのに。
「見終わった瞬間に内容忘れるのは無理だと思うけど…。誰にも言わないし、ちゃんとひとりで見る。」
俺が真剣にそう言うと、信じてくれたのか、彼女はノートを渡した。
それを大切に鞄にしまった。