第9章 「 ひみつのノート 」 及川徹
「何で怒らせたんだ?」
岩ちゃんに聞かれるが
俺自身、理由ははっきりとはわかっていない。
「わかんない…。」
「まあさ、女の子ってのは、褒めればいいわけよ。」
「そうそう。褒めよう。全力で。」
まっつんとマッキーに言われ、なんとなく納得した俺は、その翌日。
朝練があったけれど、体育館へは向かわず、教室へ向かった。
すると、ちょうど彼女が教室へ入るところだった。
「真由ちゃん!今日もかわいいね~。いいよ~。その感じ!」
「何なの?なんか、すっごいうっとうしいんだけど。」
「うん!イライラしてる顔も最高だよ!!」
マッキーとまっつん直伝の褒め殺し作戦!!
「っていうか、朝からそのテンション疲れない?」
「疲れないよ~。真由ちゃんが近くにいれば、常に癒されてるも同じだからね!」
「何?何が目的なの?」
不信感いっぱいの眼差しでこちらを見る。
作戦、失敗…。
マッキーとまっつんを信じたのがバカだったかも…。