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【HQ】ストロベリーシンドローム

第9章 「 ひみつのノート 」 及川徹


数日前、朝練がないことを忘れて、早く学校に行ってしまったことがあった。
朝の早い時間。学校に生徒の姿はほとんどなく、俺はどう時間をつぶそうか困っていた。
自分の教室に誰もこないので、隣のクラスを廊下からのぞいてみると、女の子がひとり、席に座って何かを書いていた。

「…すごい楽しそう。」

思わず、心の声が出てしまうほど、彼女は楽しそうに、ノートに何かを書いていた。
声をかけようにも、かけられる雰囲気ではなく、ただ、その姿をじっと見ることしかできなかった。

しばらくすると、岩ちゃんが登校し、俺に声をかけてきた。
そのまま、教室に戻り、友だちと喋ってたけど、頭からあの、楽しそうな顔をする彼女の横顔が離れなかった。

その日から、朝練に行く7時前、彼女の姿を一目見るのが俺の習慣になっていった。
朝のその時間の彼女は、本当にきらきら輝いていて、とてもかわいかった。
その姿を毎日見る中で少しずつ、少しずつ、俺は心を惹かれていった。
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