第9章 「 ひみつのノート 」 及川徹

これは、数ヶ月前、まだ高2だった頃まで話はさかのぼる。
岩ちゃん、マッキー、まっつんと中庭で弁当を食べるのがいつものパターン。
同じクラスだった岩ちゃんと、先に中庭の『いつもの場所』でマッキーとまっつんが来るのを待っていた。

「ねえ！岩ちゃん！隣のクラスのさ―…あの、黒髪ストレートで、セミロングくらいの長さで、化粧は全然してなくて、スカートも長い子！名前知らない？」
「知らねえわ。その子がどうかしたのか？」

岩ちゃんは怪訝な顔でこちらを見た。