第9章 「 ひみつのノート 」 及川徹
「はい。というわけで、今日お渡しするノートで、このお話、おしまいになります。」
「わー!!ついに完結なのか!!」
「感慨深いでしょ?」
「あの、真由先生!」
「先生って!やめてよ!」
「ここで、読んでもいい?」
「どうぞ。」
私がそう答えると、及川くんは嬉しそうに漫画を読み始めた。
今までも及川くんに読んでもらってきたけど、真横で読まれるのは初めて。
うー…緊張する…。
ノートに視線を落とす及川くんの顔は真剣なものだった。
最後のページまで読み終わると、静かにノートを閉じ、私に返した。