第9章 「 ひみつのノート 」 及川徹
「あ!今日は来た!」
「げ…。ねえ、及川くん。暇なの?」
「暇じゃないよ!」
「そうだよね。朝練あるはずだもんね。」
7:15に教室へ行くと、また、及川くんがいた。
この人、昨日も来てたんだよね…。
部活、大丈夫なのかな?
「ねえ、手紙読んでくれた?」
「ああ。うん。読んだ。」
「それで?!」
「えっと…。今書いてるやつなら、続き、読ませてあげてもいいけど。」
「やった!」
私がそう言うと、及川くんは予想以上に喜んだ。
「そんなに嬉しいの?」
「え?うん。もちろん。」
きらきらと笑顔がまぶしい。
こんなに喜んでくれる人がいるんだ…。
やっぱり、これって嬉しい。
「あ、じゃあ、俺、部活行ってくる!また、ノート貸してね!」
「はい。わかりました。」
私がそう言うと、及川くんは満足気に部活へと向かっていった。